未経験ITエンジニアが多く輩出されている一方で未経験の採用を控えている企業が多いのでどうやって経験を積むべきか多くの人から意見もらったのでまとめた



Xにこんな投稿をしたところ多くのご意見をいただきました。

この投稿の主旨は、スクールの乱立とそこから卒業した未経験エンジニアがSNSでよく見かけ、一方で企業側で未経験エンジニアの採用に対し消極的だということも同時に見かけるので、じゃあいったい彼らはどのように経験を積んでステップアップすれば良いのか気になったからです。

元々言いっぱなしの投稿のつもりが以外にも多くの人の目に止まり現役ITエンジニアからの数多くの意見をいただいたので、まとめないともったいないなと思って久々にこのブログに書いた次第です。

この記事が1人でも未経験エンジニアに届くと良いな〜と思います。

新卒最強

まず目についたのが新卒採用・第二新卒採用という言葉。逆にそれ以外はかなり厳しいという意見が多く見られました。

昔は未経験でも年齢関係なく採用枠あったみたいですね。しかし今は大学でIT教育された新卒が輩出されているので未経験中途ルートは絶望的という意見も。

ただ、新卒採用は学校を卒業したその一瞬でしかなく、第二新卒含めて人生で2回しか与えられないチャンスです。ここしかチャンスがないというのは見も蓋もない話です。

今回このような投稿をした背景には、乱立した私設スクールの卒業生の経験をどうやって積むのか疑問に思ったからで、対象は元は別の分野の会社勤めで後にITエンジニアに転身を図った人なので、元々IT系の学校に行った卒業生とはちょっと違います。

Xでよく見られる文系職や、看護師、美容師..etcからProgateやUdemyのようなスクールを経てITエンジニアに転向を図っている人たちです。

Xを見る限り現役エンジニアからは否定的な意見が多いので、じゃあ彼らはどうすれば採用され経験が積めるのか疑問に思ったことが投稿した発端です。(ただ投稿を垂れ流すだけのつもりが多くの意見が集まったので驚きましたが)

とはいえ、新卒・第二新卒以外の採用は非常に厳しいということが伺えたので、これはこれで貴重なご意見だったと思います。

新卒じゃない未経験採用はある?

未経験者の採用は会社の規模を問わなければあることはあるという意見も見られました。

ただ、ここでも年齢の壁があるようで、20代なら未経験でも採用は可能性ある(逆に30歳以上は厳しい)という意見が多かったです。

未経験可の求人も探せば結構あるという証言の一方で30歳以下しか採用枠がないという意見が多く見られました。まあ、ただ一般的な転職市場から考えれば30代の採用枠はおそらくあるでしょう。新卒レベルの給料になることは覚悟する必要はありますが。

実例として自身がお勤めしている会社で未経験採用を取っているという投稿が何件かありました。特に人材不足の中小零細にはチャンスがあるようです。

ただ、未経験OK案件は東京大阪に集中しているようで地方ではなかなか難しいようですね。

一点気になったのは、未経験採用したらスキル得た後に転職されてしまった事例があったようで、その会社は未経験採用をやめたそうです。吸収力のある若手を好むのは良いとして一方でその能力がある故により条件の良い会社に流れやすいという(会社サイドからすれば)欠点があるようです。

40歳以上の人はどうすべきか?

40歳以上となるとかなり絶望的になることが見て取れました。まあ、これはどの職種でも同じですが。

採用枠という意味では絶望的なのですが、ITエンジニアの利点としてフリーランスという働き方が可能でここに活路がありそうです。これは他の業界の技術系にはない利点です。

意見をいただいた方の中にフリーランスから這い上がった強者がいました。スクール卒業→クラウドソーシング→会社という流れで、その中でクラウドソーシングから会社までに何らかの人脈を構築できたのではないかと想像します。

採用されないのなら自分で動くしかなく、自分で営業するフリーランスというのが40歳以上の生き残る道ではないかなと。かなり茨の道だとは思いますが。

どうしても会社勤めを希望する場合はブラック企業の覚悟は必要かと。ブラック企業で2〜3年耐えてから退職すれば経験者として堂々と宣言するという意見もあり、こちらの方が現実的かもしれません。(ブラック企業に耐えられればですが)

あとは自分でWebサービス作って見せるという意見もありました。いずれにせよ40歳以上のITエンジニア転向者は営業力を持つか独自のサービスを展開するか、あるいはブラック企業で数年耐えるか、といったところでしょう。厳しい世界です。

若手と違って舗装されたルートはなかなかなく悪路をひたすら走り抜ける力が必要でしょうね。(もちろん他の業種も同じことですが)

なぜITの世界にだけ駆け出しエンジニアが存在するのか?

この疑問を持った意見も見られたので私見を述べさせていただきます。

僕自身はITエンジニアではなく、某材料系の業界のエンジニアでかれこれ25年はその業界で働いています。その中で駆け出しエンジニアという人は見たことがありません。おそらくITの世界だけの特徴だと思います。

なぜITだけ?という疑問もあると思いますが、ITエンジニアの他の業種にはない特徴を上げると、
  • 環境構築コストが低い
  • 技術が標準化されている。
この2点が大きいと思います。

環境構築コストに関してはパソコン1台で始められる点は大きいです。僕の業種では設備だけで何十億円、それを設置する施設で何百億円という資金が必要です。とても個人では用意できません。一般的な技術職はそういうもんです。個人で自動車や電化製品を開発・製造することは不可能です。

次の技術が標準化されているという点は、例えばPHPを覚えればどの会社でもPHPの言語仕様は同じです。Laravelはどこに行っても使い方は変わりありません。(命名規則や関数の共有化などの会社独自のルールがあるとはいえ)

他の業界の技術は会社によってノウハウが異なり同じ製法ではありませんので、この差はかなり大きいですねと思います。

結果として独学が可能になるしスクールのような教育産業が育ちやすいことから、他業種からの転向者が集まりやすくなっていると思います。

どちらかというと、理系職で言えば医師や看護師、文系職であれば税理士、会計士、弁護士といった職種に近いのではないでしょうか。もちろんそれらは有資格者の独占業務なので参入障壁はめちゃくちゃ高いのですが。

まとめ

Xでそこそこ注目を集めていろいろな意見を見ることができたので、今回このようにまとめてみました。

未経験者でも(スクールや独学でスキルを持っている前提で)他業種より間口は広いなと思いました。ただし、参入しやすい分その次の扉(要するに食えるようになる)までの距離が長いなって思いました。

僕の投稿にリプライや引用でお意見いただいた方々、とても勉強になりました。ありがとうございました。