僕のいる会社は元いた会社がグループ会社内で統廃合にあったり、その他もろもろの紆余曲折があって同じ職場にいながら3つの日本企業の文化を経験しています。
ITに対するスタンスはどの会社も同じです。企業文化がまったく違っていてもITに関しては文化はまったく同じ。たぶん一般的な日本の企業はだいたいこんなもんなのでしょう。(IT企業は違うのかもしれないけど)
具体的に言うと
- パソコンへのソフトのインストールが厳しい
- セキュリティに関する意識は過剰。
- なのでセキュリティソフトてんこ盛り(パソコンくそ重い)
- そのくせITシステムへの投資はせこい
- 結果、社員のExcelマクロのスキルに頼っている
- そのくせExcelマクロの教育は皆無(個々の趣味に頼る)
ってところかと。これが日本の企業のリアルです。
そんな中で僕は昔からプログラミングが趣味でやっていたこともあり、自分のルーチン業務をExcelマクロで自動化していくのが自然の流れとなりました。
10年以上もそんなことやっていると、だいたい目に止まり社内業務を作るよう命じられるって流れなのですが、こういうケースはめずらしいわけではなく、日本企業の各部署に僕のようなマクロマンが1.2人はいて、彼らにITシステムを作らせているのではないでしょうか。
結果、個別最適化の成れの果てになっていくわけです。これが日本企業の嘆くべき実態。ちゃんとお金かけて外部のプロに任せれば全体最適化されたITシステムが導入できるはずですが、お金をケチって自分とこのマクロマンに任せているわけで。
ただ、僕が最近思うのは一周回って日本企業はこれでいいんじゃないかなって思うようになってきました。
なぜかというと、システムがわかっていない人ってシステムに何を求めるかちゃんと体系的に伝えられないんですよね。要するに要件定義で失敗するパターンです。
海外は知りませんが日本企業の非IT社員は仕様を漏れなくダブりなくまとめられません。各人からヒヤリングして社内システムを作っている僕がいつも苦労するところです。結果、作り直しは必然です。
日本企業のシステム作りにおいては、作り直しを繰り返して完成させるしか方法はないと最近悟ることができました。とりあえず一回作ってみて「だいたい合ってるけどちょっとちげーな」と言われて仕様追加、これを繰り返すと最終的に作り直すことに。
ちなみに本来ならまず最初に人間のやる業務をシンプルに改善することがシステム製作の最初の一歩なのですが、日本の非IT社員はこれを理解してくれません。ほんと理解してくれません。(重要なので2回言います)
よくネットでシステム製作中に仕様変更で炎上するって聞くけど、まあリアルなんだろうなって思って見ています。事実として僕の目の前で頻繁に起きていますので。
こんなことを外部委託したらいくらお金があっても足りません。そんなにお金をかけられないので結局中途半端なシステムで妥協することになります。
もちろん社内マクロマンも工数分お金がかかるので厳密には費用が発生しているのですが、給料は変わらないのでどんなにやっても「追加費用」という形で現れないんですよね。一方で外部委託だと発注しなきゃいけないのでコストが可視化されるし金額によっては固定資産になります。サラリーマン的には後者のほうが辛いわけで。
非IT企業の場合は社内システムは小回りの利く社内のマクロマンが作ったほうが結局よいシステムができるんだよなって最近思うように(悟るように)なりました。(もちろんそのマクロマンが配置換えや退職したら詰んじゃうんだけど。もうそれは僕の知ったこっちゃない!)